4月1日 東北大震災 JDFみやぎ支援センター 活動報告

4月1日 記録者名 絹田敬子 小野 浩(きょうされん)

支援員 5チーム 15人

●活動方針・計画●
1.訪問調査活動について~土台づくりを行い、第2グループへつなげよう!~
4チームに分かれて、沿岸部中部から南部地域の避難所、関係機関への訪問に加えて、障害者支援事業所への訪問調査を実施する。

2.事務局
 訪問調査の集計表を作成する。集計表は、在宅障害者被災状況集計表、障害者支援事業所被災状況集計表、電話相談台帳等。
 仙台市障害者協会を訪問し、宮城県内の障害者団体の会員安否確認の情報提供を依頼する。

●活動報告●
1.訪問調査活動の報告
(1)グループ(報告 絹田)
・東松島市
やっと自衛隊がガレキ撤去などに入った所で、歩いていくのも困難な状況だった。沿岸部一体は全滅の様子。避難所は4月23日以降、集約されていく。生協が運営していた高齢者デイサービスに立ち寄った。浸水していたが、物損はない。
生活介護・就労継続支援B型の「ぎんの星」は、ガソリンがないということだったので、今回はそれを届けた。床上浸水、しいたけの原木や苗が駄目になった。
同じ法人の障害者支援施設の第2共生園は、水道管が破損していて、水が通っていない。34名入所。利用者、家族、無事。職員1名死亡。フェイスタオル、紙おむつ、ティッシュとトイレットペーパーが欲しい、といわれたので届けた。ガソリンが無いようである。冷ぴた、ウェットティッシュをといわれたが持っていなかったため次回に持ってくると約束。
続いて、高速道路の反対側の共生園を訪問(50名通所)。家族3名死亡。両親が亡くなった利用者は、親戚のところに避難している。利用者1名が安否不明。30名が自宅待機。16名が施設での避難。施設は指定避難所になっている。衣類が欲しいと言われたため、持って行った下着をすべて提供してきた。ゴミ袋、ウェットティッシュ。市役所に行って、物資の話をすると、避難所から申請が無いと持っていけないとのこと。指定避難所以外については、対応できない。市の倉庫に行くと物資が山のようになっていた。

(2)グループ(報告 石黒)
・山元町
地域活動支援センター・やすらぎ作業所は、建物の損傷は少ないが、社協立であり、社協職員が町の対策本部に集中しているため人的体制がない。ライフラインがもどるまで閉所の予定。利用者・家族は無事。職員で安否確認のできていない人がいる。
やすらぎ作業所と同じ敷地にある入所更生施設の「静和園」の施設長の話では、町の機能がマヒ状態にあるため、社協も混乱しており、施設の状態を把握している人がいない。「やすらぎ」のGHとCHもあるが、被災地域ではないので大丈夫だろうとのこと。

・亘理町
社協運営の児童デイサービスの「二杉園」のライフラインは止まっている。同じく職員は、町の対策本部に入っているため、作業所は休所となっている。町としては新学期に合わせて開所する方針。同じく社協のゆうゆう作業所は壁にひびが入るなどで使用禁止で閉所。所長自身(名取市在住)は被災していて、避難所生活。
山元町、亘理町は未だ行政機能はマヒ状態。

・岩沼市
生活介護・地域活動支援センターの「しおかぜ作業所」は、床上浸水で休所していたが、4月1日に再開した。GH、CHが1日開所の予定だったが、指定申請の手続きが震災のため遅れている。亡くなった利用者が2人(当日欠席、自宅で被害)。また家族が亡くなって、ご本人が避難所にいたが、避難所の人たちから、障害者だろうという連絡があり、親戚のところに移った。しかし親戚もまた避難所生活のため、GH・CHで生活できないかと親戚から要望がだされたが、行政機能がマヒしているので、指定申請手続きが間に合わないなどがあり、経営的には受け入れられないと所長は判断している。市としては現状どこも受け入れるところが無いという回答であるが、このケースは所長と市との交渉の経過を見守ることが必要。

・名取市
「みのり会」の施設は、全壊しており、ガレキの山の中。また「うらやす」(特養。GHうらやすとして一部を利用)も全壊で、自衛隊が捜索しているようなところ。これらの施設の利用者、職員の安否等の状況確認のため役場を訪ねたが、「みのり会」は法人内の就労移行事業の施設に移って無事であるとのこと。家族が亡くなって、安否不明が1人。利用者は、自宅に。
みお七ヶ浜の施設長と、「みのり会」の所長がつながっているので、今後も連携が可能。法人本部を酒屋2階に移し、1階を地域活動支援センター。「みのり会」35名の生活介護は、松けい大学の1室を借りて活動しているが、備品も流出したため通常のプログラムを行うための物資が欲しいとのこと。生活物資は、知的福祉協会に依頼をしたが、まだ届いていない。

(3)グループ(報告 生津)
・女川地区
災害対策本部で資源の情報をとる。2つの事業所のうち、「きらら」は流失。利用者1名の安否確認はできているが、どこに避難しているかは不明。行政機関はマヒしており混乱の収拾は当分続いてしまいそう。2・3階が高齢者デイサービス、1階が地域活動支援センターと病院が隣接している施設を訪問。高台にあったにもかかわらず、1階の地域活動支援センターは天井まで水没してしまった。活動は再開していない。病院からの要望としてガレキ撤去があがっている。

・石巻地区
石巻しょうしん会が、すでに地域の資源調査をすすめており、数字はつかんでいるが流動的で、日々被災後の生活場所が変化している。対応して調査していきたいが、燃料不足のため調査がすすまない。

(4)グループ(報告 鈴木)
・七ヶ浜
避難所6ヶ所中5ヶ所を視察。FAXがつながらなかったため、町役場へ県の職員がJDFの紹介文書を直接訪問し協力を要請していた。物資は充実しており区長が在宅者へ配布している。
障害のある方が避難所におられるところもあるが、適応が難しい状態ではないらしい。施設は2ヶ所。水の供給が遅れているが、とりわけ下水の処理が遅れている。1箇所は今日から開所しているが、燃料不足のため送迎は片道のみ。人身への被害はなし。気仙沼の施設の情報なども入っているようだ。資源利用のある人は行政ともつながっていて情報の伝達もスムーズであるが、在宅の人は区長さん、保健師さんなどの日常的な交流が今後の課題。

●今後の課題●
4月2日から第2クールに入るが、2日の活動課題は以下のとおりとする。
(1)気仙沼市の役所と関係機関を訪問し、今後の調査活動の糸口と課題を明らかにする。
(2)多賀城市の避難所訪問を実施する。
(3)消防学校に備蓄されている物資の確認と供給
(4)調査結果の地図へのマーキングと調査集計表への入力作業
(5)第2クールからの支援者へのオリエンテーションの実施
(6)山形からのガソリン補給の実施(山形コロニー)。またガソリン携行缶の確保はストップする。
荒木(JD)4月6日まで、坂下(きょうされん)4月10日まで合流。