2015年12月6日「言葉のきずな」北九州上映会と失語症者交流会

ついにこの日がやってきました!!
準備を始めて半年。あんどSTスタッフも会話パートナーさん達も、期待と緊張でドキドキしながら当日を迎えました。
朝JRが遅れて心配しましたが、天候は良く、上映会には 115名、交流会には91名の方(当事者、ご家族、医療関係者、学生さん、言語聴覚士)が参加されました。

午前中はまず、ミニ講座(失語症とは?)で失語症を知って頂きました。
それから「失語症者交流会☆手作り紹介ムービー」で、「あすの会」「あんど」の活動を映像で紹介しました。楽しい雰囲気が伝わって、会場からは笑い声と拍手が起こりました。
会場後方の展示コーナーには、あすの会の方々の趣味活動(写真、絵、陶芸作品、木彫り作品など)が披露されました。みなさんの手先の器用さ、関心の広さや深さに本当に驚きます。

そしていよいよ「言葉のきずな」上映です。
この映画は、笑える場面、辛い場面、感動の場面と様々あり、STとして、会話パートナーとして、当事者、ご家族、と、置かれている立場で、感想は様々だったと思います。と同時に、見ている皆が息をのんで見守ったり、一緒にほっとしたり笑ったりと、会場にはあたたかい一体感が溢れていました。
個人的には「障害は不便だけど、不幸ではない。今が一番幸せです」ということばが印象的で、涙がこぼれました。そう思うまでに大変なご苦労があったと思いますが、前向きに生きていこうとされる姿に刺激されました。

上映会後は、9つのグループを作って昼食です。ST学生さんもたくさん参加し、和気あいあいとお話しをしたり、自己紹介をしたり、楽しく過ごしました。(学生さん、会場設営のご協力有難うございました)
映画を一緒に見たことも自然な笑顔ややりとりを増やしたような気がします。

午後は交流会です。
今回はなんと!映画にもご出演の「長野ぐるっと一座」演劇指導ファシリテーターの内山二郎氏が長野県からご来場下さいまして、会場は大いに沸きました。
まず普段の例会内容を「あんど」STがご紹介し、「失語症者交流会☆紹介ムービー」を再度上映しました。

それから当事者、ご家族、会話パートナーが大きな円になって座り、円の中心に内山氏が入り、ワークショップが始まりました。
どんなことが起こるの?と初めはやや緊張がみられましたが、内山氏の世界に引き込まれるように、表情・態度がどんどん変わっていきました。
周りで見ていたSTは、あすの会の方々の普段とはまた違ったご様子に驚きました。中央に出て大勢の前で表現する姿は、どの方も輝いていました。問いかけ方、引き出し方、接し方、こんなアプローチがあるのかと、心からわくわくするすばらしい1時間でした。

締めくくりには長野出身 高野辰之(たかのたつゆき)氏作詞の「ふるさと(兎追いし、かの山~♪)」を全員で合唱しました。

会を終えみなさんが清々しい顔で帰られる姿に、映画を見て、続けて演劇ワークショップの一部を体験できて、本当に良かったと感じました。
内山先生、映画製作の皆様、長野「ぐるっと一座」の皆さん、本当に有難うございました。

この1日を通して、個人的な反省点は多くありましたが「あすの会」「あんど」の活動の素晴らしさを改めて感じました。
障がいにかかわらず、相手の笑顔を引き出し、相手の奥深いところまで知りたいと思う関係がここにはあると思います。1ヶ月に1度の活動ですが、楽しみにされている方がたくさんいらっしゃいます。
そこにSTとして携われていることに幸せを感じます。仕事では得られないものを得ることができる場所です。この活動を、もっと多くのSTに知ってもらいたいと改めて思った1日でした。

次回は、2016年1月10日(日)。テーマトークは2016年の抱負です。
上映会に参加された方とまたお会いできるよう願っています☆
みなさま、良いお年をお迎え下さい。
(M.K)