理事エムです。
今年成人を迎える皆様、おめでとうございます。
正確にはあす成人式なのですが、
式典がきょう催される所も少なくないので
ごあいさつ申し上げます。
年が始まり、人生に果敢に取り組む二人の若い女性の姿を
知りました。
一人は、プロのボディボーダー、甲地由美恵(こうち・ゆみえ)さん。
2歳で聞こえなくなり、家族の愛情に恵まれて育ちました。
学校はろう学校ではなく、地域の普通校で通され、18歳で海の魅力を知り、
ボディボードの道を歩まれました。
詳細は、自著『聴こえなくても私は負けない』にあります。
お医者さんに「25歳までに完全失聴する、きこえを取り戻すためには
人工内耳手術しかない」と言われましたが、彼女は手術をせず
ボディボードの道にまい進。
当時の人工内耳手術が国内で数例しかなかったことを考慮しても、
個人的にはかなり驚きです。
わたしは、どうしても水泳がしたくてダダをこねたら
「それなら完全失聴しかない、どちらが良いかはあなたが選びなさい」
と言われ、聞こえをとりました。
医者も両親も当然聞こえを取ると予測してのことですが
7歳児にはかなり重い決断でした。
実は、甲地さんの存在を知るまで、聞こえを取るか泳ぐのを取るかなら
当然誰もが聞こえと思っていました。そして、泳ぐほうを取る人も
いることを、別の機会に知り、自分の不勉強を反省しました。
医学の進歩がどちらを取ることもすべての人類に許したとしても、
この日を忘れないでしょう。
補聴器がなく人工内耳がなく、それでも他の力で立派に人生を生きた、
大多数の先輩がいたことも、ともすれば忘れがちな自分に気づきました。
もうひとりは、今話題の浜崎あゆみさん。
当協会の掲示板でも、彼女の失聴を悲しみ、早期発見、予防を呼びかける
書き込みが相次ぎました。
わたし自身も彼女を思うと目の中に海が見えるような毎日。
代われるなら…と言ったら右耳失聴の自分ですから
両耳完全失聴になってしまうのです。馬鹿なことを考えたものです。
彼女については、わたし自身は、多くを知りません。
くぐもった声で内省的な歌詞を熱唱するように記憶しています。
それでも、7年間音やストレスに満ちた厳しい仕事をしながら
治療は続けておられた様子。若いから無茶もされたかもしれませんが、
彼女の闘病を静かにたたえたい気持ちです。
あゆ、お疲れ様。
今、彼女は仕事で海外にいるようです。
無事帰国されるよう心からお祈りします。
聞こえないということで人と比べたり劣等感に悩まされることも
多く在ります。
何かを選ぶと言うことも、限られた人生では大変です。
選択肢の多い現代、情報の多い現代では逆に色々な
ストレスも抱えることがあります。
でも…。人と比べないで、自分を大切に。
早期治療が大切ですが、難聴は気がつきにくい障害。
もしも早く気づけなくても、過去の自分を責めないで。
聞こえなくても聞こえにくくても自然に、気持ちを楽に生きられる
世の中でありますように。
明日を生きる若い人が自然に歩める
そういう世の中を支えていける大人になりたい…と
成人式を過ぎた私は思うのです。
