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浦河

2月19日(火)に北海道浦河町で行われた地域防災フォーラムに参加してきました。浦河町は北海道の湘南といわれながらも有数の地震多発地帯です。ATDOでは数年前から浦河町民の防災意識を学び、DAISYを使って、防災意識を高めるための調査活動を行ってきました。そして、活動を引きついでいる浦河べてるの家が主催するフォーラムが開催されたわけです。このフォーラム開催の裏ではこれまで数年間に及び構築された人脈がそれぞれの持ち場を蔭ながら支えており、調査活動の成果が着実に実っていることを感じました。

まず、開会挨拶は浦河べてるの家理事長である佐々木氏から、基調講演は海底地震の専門家で地球物理学者の島村英紀先生からありました。第二部では、地震対策には強いが津波対策に弱い浦河町東町第5自治会とべてるの家総勢20名程で津波対策に強い徳島県美波町を視察した時の報告がありました。

島村先生のお話は各国の地震の被害の大きさや太平洋沖に地震の起きやすい理由、北海道の地形の説明から始まり、海底で何が起きているのか、地震がなぜ起こるのかという「地震の物理学」あるいは海底のメカニズムが解明されていない中で津波警報を鳴らしている現在の気象情報への警告などをお話くださいました。警報をあてにするのではなく、DAISYを使った避難訓練で自分たちの身体感覚を鍛えておくことは大変に有意義であるとのことでした。

東町第5自治会会長の米山氏は人口減少、核家族化、独居老人世帯増加、産業の変容など地域の特徴が浦河と似ている美波町を視察し、高齢者や身体の不自由な人間が増加する地域がどのような防災対策をとったらいいかを考えているとのこと。暴風雨地域として徳島でも防災意識の非常に高い美波町における津波対策が大変勉強になったそうです。

障害のある立場からは障害者施設の代表として、浦河べてるの家と向陽園がお話されていました。まず、防災に対して情報がなかなかキャッチできない、適切な判断がしづらい障害者が災害に巻き込まれる確率が高いことは世界的にもわかっていることなのに、実際にどうしたらいいかわからずにいた
ことなどを話され、浦河町の津波の勉強をしDAISY避難マニュアルをみながらメンバーで避難訓練を重ね、避難の感覚を身体で覚えることができたとのこと。美波町では障害児施設の防災の取り組みを勉強し、子どもたちがイベントに組み込まれた防災訓練を楽しく学んでいる場面を見学したそうです。最後に地震の多さ・怖さは町民皆同じだからこそ、地域との連携を大事にして、これからも勉強を続けていきたいと言われてました。

一方で徳島県美波町の「西の地防災きずな会」の浜氏はこれまでの地震体験談を話されました。昭和21年の地震や阪神淡路島大地震を体験。昔の地震直後のすさまじい場面写真も流していました。
酒井氏は人と人とのきずなを大切に自治会活動を行っていることやイベントを兼ねながら、楽しく防災意識を高められる工夫をしていることなどを話されました。仮設住宅は2-3か月かかるので、自分たちでできるものを考えた結果、バンブーハウスを思いついたこと。竹日本一の土地柄、避難まつりでは竹割を実演したり、昼ごはんに非常食会食をだしたり、お見合いパーティを開催したり。防災だけでなく、住民がまちづくりに協力することが自治会活動の最終目的とし、住民の防災意識を維持できるようにこれからも活動を続けていきたいとのこと。自分らが動けば、行政がそのうち認めてくれるだろという感覚で活動を続けているそうです。

最後に浦河町民憲章推進協議会会長の木下氏から閉会の挨拶がありました。災害は今起こるかもしれないという感覚があるもの。そんなとき、どうすればいいのか。美波町とは地形こそ違うが多くのことを学んだ。自分がいま住んでいるところをイメージして、隣近所の状況も考え、動いたらどうだろうか。緊急時に隣近所と協力しあうには、自分から動かないといけないだろう。そして人の話を聞きながら行動することをモットーに組織をつくりあげ、仲間つくりをすることで災害に強い町つくりを目指したいとのことでした。

多様な立場の人たちが率直な意見を出し合い、共有しネットワークを広げていくことが防災フォーラムでも活かされていると感じた1日でした。そのためには心を閉じていてはだめだと思いました。人とつながることで心も次第に開けていくのかもしれません。
6-7時間もかけて東京から浦河に飛んだだけの価値があるフォーラムでした。
IH

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